2. モヒラコハート
モヒラコハートは、主婦や社会活動に関わっていた女性たちによって結成された非営利のNGOです。ボランティアや賛同者の寄付をもとに活動しています。非公式に活動を始めて6年になり、5年前にカトマンズ郡事務所で団体登録をしました。カトマンズ市内ディリ・バザールに事務所を置いています。毎年の活動報告と会計監査報告を提出しています。会員が61名で、理事が9名います。3年に一度の選挙によって新しい理事会が結成されます。

紛争によって、多くの村人が自分の村を離れざるを得ませんでした。稼ぎ手を殺された世帯では、子どもや扶養家族が貧窮に陥ります。そうなっても補償金はもらえず、新たに生計を立てる手段も得られないままです
[i]。このように困窮を極める遠隔地の女性たちを支援するために、モヒラコハートの会員は基金を作りました。技術を身につけ、自分と家族を支えるための研修に彼女たちを参加させることがねらいです。ダリット、ジャナジャティ[ii]、障害をもつ女性を優先しています。

モヒラコハートがこれまでに支援した活動は以下のとおりです。( )内は場所と協力団体。
1) 女性リーダー育成研修(カトマンズ市ナバジョティ研修センター):6ケ月の住み込み研修
2) 就学期に教育を受けられなかった成人女性への教育(カトマンズ市 ウトゥプレラナ女子学校)
3) 障害者技術研修(カトマンズ市近郊の村落開発委員会):9ケ月の技術研修
4) 生計支援(カトマンズ市):女性2名が自分で小さな商売を始める際の資金を貸与
5) 思春期教育(カトマンズ市ユバアビヤン):義務と権利を自覚させるためのボランティア育成支援
6) ストリートチルドレン支援(カトマンズ市バスンダラ・ナショナルアカデミー):働く子どもへの正規教育支援
7) 孤児支援(カトマンズ市 トゥフラ・バルグラム、トゥフラ・サンラクチャン):孤児の保護
8) ダリット、ジャナジャティの子どもたちの教育支援(ジャパ郡サンボダン・サダナセンター):メチェ、コチェ、ダヌワール、ムサハルなどのダリットもしくはジャナジャティの子どもたちへの教育支援9) ダリット奨学金(カブレ郡:ヨグマヤ・ネパール・ダリット奨学金):カミ、ダマイ、サルキ女子への奨学金支給


[i] 2008年現在、紛争の犠牲となって殺された者の家族にはNRs.100,000の補償金が支払われる制度があるが、現実にその申請に必要な証明書類を提出するのが困難なために受け取っていない家族が多い。
[ii] 非ヒンドゥ民族。